募集する側の要望
募集する側の要望を知ることができれば、採用に大きく近づけます。
法律事務所の事務として採用されるための人物面・能力面
法律事務所への就職活動を始める前に知っておくべきことがあります。
それは、募集する側の要望を知っておくことです。
その要望どおりの人物像に近づくことができれば、採用の可能性が高まるからです。
法律事務所の事務職員として採用したい人物像として、募集する側にはどのような要望があるのかについては、募集をしている法律事務所による部分が大きいので一概には言えません。
とはいえ、法律事務所としての基本的な要望はあります。
それを人物面と能力面に分けて、以下に書いていきます。
※ あくまでも私がいた法律事務所を基本として書いていきます。
人物面
応募する側からすると、「私はこういう能力があります」とアピールしたいところです。
しかし採用側は、「どのような人なのか」という人物面も大切に見ています。
私がいた法律事務所では、能力面以上に人物面を重視していました。
なので、ぜひ以下の内容をおさえておいてくださいね。
地味にコツコツできること
法律事務所の事務職員は、あくまでも弁護士の補助です。
なので、まずは弁護士の言われたとおりのことをできるようになっておく必要があります。
弁護士から頼まれることは、その法律事務所次第ではありますが、基本的には地味な仕事が多いです。
定型の書面に書き込んでいくだけの仕事であったり、登記簿や戸籍謄本を取得する仕事であったり、書類を郵送する仕事であったり、連絡事項を伝える電話であったり。
そういった地味な仕事を飽きなく完璧にこなして、弁護士から信頼を得る必要があります。
それがしっかりこなせるようになったら、訴状や準備書面の原案作成など、もっと発展的な仕事を頼まれる可能性があります。
気が回ること
繰り返しになるのですが、法律事務所の事務職員は、あくまでも弁護士の補助です。
なので、弁護士が能力を発揮できるように、言われなくても気を回して補助してあげることも大切です。
自分で調べて解決できること
これは私が弁護士から言われていたことです。
自分でいうのも恐縮ですが、私は自分で調べて解決できるように動けていたので、その点を弁護士に歓迎されていました。
弁護士は自分の仕事に集中したいので、職員に仕事を教えたいとは思っていません。
なのにいろいろと職員から質問されてしまうと、思考が中断されてしまいます。
そういった事情があるので、自己解決できる能力は大切です。
その他は他の職場と同じです
どの職場でも要求される、職業人としての基本的な常識を持っていることは大切です。
遅刻しない、無断で休まない、ちゃんとした言葉遣いで話せる、報告と連絡はきっちり行う、必要以上に時間をかけないでテキパキこなすといった基本的なことはとても大切です。
能力面
どんなに良い人であっても、能力が足りていないと、やはり採用はできません。
ただ、どのような能力が必要かは、募集している法律事務所次第な面がとても大きいです。
たとえば、秘書的な能力さえあればOKという法律事務所もあれば、高い専門的知識を要求する法律事務所もあります。
また、その法律事務所が扱っている分野次第で変わってくる面もあり、たとえば会社法に詳しい人を歓迎する法律事務所もあれば、債務整理の経験者を求めている法律事務所もあります。
そのように、募集している法律事務所次第な面がとても大きいので、以下では、どの法律事務所でも基本的に必要となってくる能力について書いていきます。
秘書的な能力
電話応対、訪問者対応、スケジュール管理などの「総務の専門家」的な能力が必要です。
また、ビジネスマナーやメールマナーも大切です。
特にメールマナーについては、自分では気付いていない面があるかもしれないので、自信があっても、今一度確認しておかれることをおすすめします。
パソコンスキル
最低でも、ワードとエクセルとメールはできておく必要があります。
それ以外のソフトは、職員に与えられた役目によって変わります。
あとは、データベースソフトへの理解も持っておいたほうがよいです。
依頼者管理や事件管理などをするために使います。
ソフトの使用方法を知るのも必要ですが、それよりもデータベースに対する理解ができていると、データベースソフトを上手に使えるようになります。
参考として、私が法律事務所にいたときのパソコンには、主に以下のソフトがインストールされていました。
- ワード
- エクセル
- ファイルメーカー(データベースソフト)
- サイボウズ オフィス(主にスケジュール管理の用途で使用)
- 弥生会計(私のほかもう1人のパソコンのみ)
- ドリームウィーバー(ウェブサイト制作ソフト:私のパソコンのみ)
- ファイヤーワークス(ウェブサイト用画像処理・画像制作ソフト:私のパソコンのみ)
これは余談ですが、ワードではなく、一太郎が歓迎される場合がたまにあります。
これは、かつて弁護士会が一太郎の研修を行って、それに参加していた弁護士が自分の法律事務所に一太郎を導入したパターンがあったということが原因のようです。
民事訴訟法の知識
法律事務所は民事訴訟を行ってナンボのところがあります。
なので、その手続き面を規定した民事訴訟法を知っておくことは大切です。
私がいた法律事務所の弁護士は、「民事訴訟法を知らないときついなあ」と言っていました。
できれば採用される前に、ある程度は勉強しておきたいところです。
おすすめの資格
資格を持っていると、採用時のアピールにもなりますし、採用後にも役立ちます。
そこで、法律事務所に採用されるために、そして採用後に役立つ資格を記します。
役立つと思われる資格
- 司法書士
司法書士の資格を持っていると事務職員の立場でなくなる場合が多いですが、司法書士の資格を歓迎する法律事務所は結構あります。
なので相当有効な資格ですし、給料も通常の事務職員より高くなります。 - 秘書技能検定
上記のとおり、法律事務所では秘書的な能力が要求されるからです。 - ビジネス実務法務検定
企業法務中心の法律事務所では歓迎されると思います。 - 簿記検定
法律事務所でも経理担当は必要なので、歓迎されると思います。
私は日商簿記検定2級を持っていますが、弁護士から歓迎されていました。 - 法律事務所職員(パラリーガル)養成講座 受講
資格ではありませんが、民間スクールで行われている法律事務所職員養成講座を受講するのも、採用側へのアピールになりますし、採用後の仕事にも役立ちます。
→ パラリーガル講座
その他、募集している法律事務所のカラーによって、歓迎される資格は変わります。
たとえば、知財中心の法律事務所なら、知的財産検定が歓迎されるといった具合です。
募集内容を熟読
その他、募集する側の要望は、求人広告の募集内容を熟読してください。
「○○の方歓迎」みたいに書いてある場合が多いです。
もし書いてなくても、その法律事務所のウェブサイトを見ることによっても、どんな要望があるのか読み取れます。
そういった募集する側の要望を知ることは、採用されるためにも重要ですし、採用後に活躍できる場があるかどうかを知るためも重要です。
では、次は求人募集の探し方を把握しておきましょう。
→ 求人募集の探し方