職業訓練校(ハローワーク)体験記

私が法律事務所に採用される前に通っていた職業訓練校の様子を書いています。

職業訓練校を利用してみるのも一考です

私の就職活動記録のページにも書きましたが、私は就職活動の前半において、ハローワーク紹介の職業訓練校(東京)に通っていました。

職業訓練校で学べることも、法律事務所への就職に役立つ面があります。

そこでこのページでは、私が実際に通った職業訓練校の話を書いてみます。

受講料無料の基金訓練 というのもあるようです(詳しくはリンク先をご参照ください)

職業訓練校とは

職業訓練校とは一体なにか

職業訓練校とは、失業されている方が雇用保険を受給しながら、テキスト代程度の費用で学べる学校です。
基本的な趣旨は、再就職できるように技能を磨くことにあります。
学習期間は、3か月間から6か月間のコースが多いと思います。

職業訓練校で何を学べるか

いろいろなコースがあります。
たとえば、パソコンの技能や経理(簿記・会計)もありますし、技能工になるための職業訓練校もあります。
特に東京の職業訓練校は、委託訓練も含めれば、学びたいことはおおむね見つかると思います。

どこでどんな職業訓練を行っているか

どこでどんな職業訓練を行っているかを知るには、一番いいのはハローワークの職業訓練相談コーナーに行って、相談員の方にいろいろと聞くことです。

もちろんインターネットでも情報収集はできますが、ハローワークの職業訓練相談コーナーにいる相談員の方は、職業訓練の最新情報を知っていますし、その人の希望に合った職業訓練をアドバイスしてくれるので、やはり実際にハローワークの職業訓練相談コーナーへ足を運ぶのが最も良いです。

ハローワークの職業訓練相談コーナー以外だと、独立法人 雇用・能力開発機構のサイトに、職業訓練校関連の情報が出ています。

あとは、各ハローワークによっては、職業訓練校紹介セミナーのような集会を開催していることもありますので、それも良い情報源ですね。

職業訓練校の説明会

職業訓練校の情報をハローワークなどからある程度仕入れたら、いきなり申し込むのではなく、各職業訓練校で開催している説明会に行ったほうが良いです。
中には、「説明会には絶対に参加してください」と言っていると職業訓練校もあります。

この説明会では、どういう職業訓練を行うのかを説明してもらえます。
また、職業訓練校に対する疑問点を直接、その職業訓練校の職員さんに聞くこともできます。

結局、職業訓練校が説明会を行う趣旨は「ミスマッチを防ぐ」という点にあります。
職業訓練校のパンフレットだけを見て入校してしまうと、「こんなはずじゃなかった」ということにもなりかねません。
それを防ぐために、職業訓練校が行う説明会には、ぜひ参加したほうがいいです。

ちなみに、私が職業訓練校の説明会に行ったときは、参加者のおひとりが急に発作を起こしてしまい、救急車が呼ばれた段階で説明会が終了するというアクシデントがありました(説明会自体は終盤だったので問題はないです)。

職業訓練校に入学するには(ハローワークでの申し込み)

職業訓練校に入学するには、まず願書をもらいます。
職業訓練校の願書は、ハローワークに行って、直接、職業訓練相談コーナーにいる相談員の方からもらうか、または、ハローワーク内のラックに置いてあることもありますので、そこからもらいます。
ただ、ハローワーク内のラックには、全部の情報は出していないみたいなので、やはり、職業訓練相談コーナーにいる相談員の方に希望を伝えて、そこからもらうのがいいと思います。

ハローワークから願書をもらったら、必要事項を記入して、またハローワークの職業訓練相談コーナーに行って、提出します。

なお、職業訓練校は第3希望まで書くことができますが、私の体験から言えることは、第2第3希望は書かないほうがいいということです。
なぜなら、第2第3希望まで書いてしまうと、第1希望に書いた職業訓練校を志す気持ちが薄いと思われてしまい、職業訓練校に入るときの選考で不利になることもありえるからです。

この話は、ハローワークの職業訓練相談コーナーにいらっしゃる相談員さんから聞いた話なので、あながち間違っていないと思います。

職業訓練校の入学試験

職業訓練校の入学試験は、「筆記試験」と「面接」です。
私の体験では、はじめに筆記試験を行いました。

筆記試験

筆記試験の内容としては、小学生レベルの計算がいっぱいあって、それを速く解かせるものでした。
「数分のうちに何問解けるのか」という形で、速さと正確さを計る内容です。

面接

面接は、その職業訓練校の職員2名に対して、面接を受ける人が1名の、2対1の面接です。

質問されたこととしては、「志望動機」「今までの経歴」「その職業訓練を受けたあとの展望」などでした。
なので、その3点は、あらかじめ答えられるように準備をしておいたほうがいいでしょう。

その他の質問としては、私が日商簿記2級を持っていることを職業訓練校の職員が知っていたので(願書に書いていたため)、その簿記に関する知識を試すような質問もありましたね。

面接官となった職業訓練校の職員さんお2人のうち、お1人はその職業訓練校の一番偉い人で、もうお1人はのちに担任となる先生でした。

これはその担任の先生から聞いたのですが、「筆記試験」よりも「面接」のほうが比重が圧倒的に重いそうです。
なので、筆記試験の過去問をやろうとか、そういうことを考える必要はないと思います(過去問も発表されていませんし)。

それよりも、「職業訓練校の職員さんに対して、面接で何を伝えるか」をしっかり考えておくほうが、より職業訓練校の試験対策になると思います。

職業訓練校に通っているときの収入

職業訓練校に通っているときの収入として、以下の3つの手当があります。
<ご注意>
平成16年のお話になりますので、現在とは違う面があると思います。

基本手当

基本手当として、雇用保険でもらえる額が支給されます。

これは、職業訓練校に通っている間は支給され続けます。
なので、通常なら職業訓練校に通っている途中で雇用保険が切れてしまうような状態でも、その通っている間は支給が延長されることになります。
そのため、通常の生活をしていれば、通っている間はお金の心配はありません。

なお、職業訓練校を休んでしまった日は、基本手当は支給されません。
これは、完全に1日丸々欠席した場合は支給されないということなので、遅刻・早退であっても、職業訓練校に行けば、基本手当は減額されずに支給されるようです。
なので、「職業訓練校に1時間だけ行ってすぐ帰る」という人もいました。
そんなことするならやめちゃえばいいのに…
(私はのちにその職業訓練校の講師になったのですが、そのときには遅刻・早退も支給されないルールになっていました。)

あと、ちょっと難しいのが、土日祝日については、雇用保険と同じで原則的に支給されることになりますが、たとえば「金曜日」と「その翌週の月曜日」の両方を休んでしまうと、土日分も支給されません。
「金曜日から翌週月曜日まで続けて休んだ」という扱いになるのです。
ただ、たとえば「金曜日は休んだけど翌週月曜日は通った」という形で、片方だけの休みであれば、土日分も支給されます。

受講手当

受講手当として、職業訓練校に通った日数×500円もらえます。
もちろん欠席の日や土日祝日の分はもらえません。

通所手当

通所手当とは、職業訓練校まで通うための交通費のことです。
実費で支給されます。

私が通っていた職業訓練校では、月額5万円を上限として実費支給でした。
支給額は、実際に要した額ではなく、自宅から職業訓練校までの最短距離で計算した額になります。

あと、バス代が支給されるかどうかは、私が通っていた職業訓練校では「バスの走行距離が2km以上」が要件になってました。

職業訓練校に実際に通った感想

職業訓練校に実際に通った感想を書こうと思うのですが、これはあくまでも、私が行っていた職業訓練校の話です。
ちなみに、あまり明らかにするのはまずいですが、東京の職業訓練校です(委託訓練ではないという意味です)。

職業訓練校で身についたこと

職業訓練校に通って何か身についたかどうかは微妙です。

若干のスキルアップはしたとは思いますが、自分を変えることはできませんでしたね。
でもそれは、私が悪いと思います。
授業よりも行政書士の試験勉強が気になっていましたし、やはりスキルを身につける気があるのなら、ちゃんと授業の復習もするべきでした。

職業訓練校に入ったときはやる気満々だったのですが、しばらく経つとやる気がなくなり、最後のほうは学習意欲がない状態で通っていた感じです。

授業の感想

全体的な感想としては、「やろうとしている理想はわかるけど、身につけるには時間が足りない」という印象でした。
ただその点は、受講生が予習と復習を行うことによってカバーできるかもしれません。

テキストについては、市販できないレベルのものが多かったです。
改善点大ありでした。

1つ、今思い出しても納得できないことは、ウェブサイト制作の授業で「フロントページ」のソフトを使っていたことです。
フロントページのスキルを身につけたって、世間では一切通用しないのは簡単にわかることです。

先生(講師)

正直言って、やる気のない先生が多かったと思います。
受講生にやる気がないのでそうなってしまうのかもしれませんが…

もちろん、熱意を持って教えてくれた先生もいらっしゃいました。
ちなみにその先生とは、今でもお付き合いをさせていただいています。

結論的には

文句ばっかり言っている私ですが、それでも職業訓練校に行って良かったです。
それはなぜかというと、上記の熱意のある先生とか、担任の先生とか、クラスメイトとか、いろいろと幅広いお付き合いができたからです。
その点だけを取っても、職業訓練校に通って良かったと思っています。

職業訓練校を修了したあと

職業訓練校を修了したら、その翌日から雇用保険は支給されなくなります。
また、毎日通っていた職業訓練校にも行けなくなるので、生活にポカンと穴が開いた感じになります。

なので、できることなら職業訓練校に通っている間に、就職を決めてしまうのが理想です。

私が職業訓練校に通おうと思っていらっしゃる方にお伝えしたいのは、以下の3点です。

  • 職業訓練校に通っている段階で、就職活動はしっかりやっておいてください
    職業訓練校に通っていると落ち着いてしまい、就職活動をする気が失せてしまう危険性があります。
  • 職業訓練校に通った当初の「学びたい」という気持ちを持ち続けてください
    職業訓練校に通う生活に慣れてくると、授業に身が入らなくなってしまう危険性があります。
  • 先生やクラスメイトとはなるべく仲良くして、長いお付き合いができるようにしてください
    みんなと良い関係を作っておくと、より発展的な人生を歩めるようになるかもしれません。私の場合は、のちに講師として、その職業訓練校でお仕事をさせていただきました。

上記の3点を心の片隅にでもお持ちいただくと、より有効的に職業訓練校を活用できると思います。

以上、東京の職業訓練校に通っていた私の感想と意見です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

自己紹介

元法律事務所職員(採用担当)で、某スクールの法律事務所職員養成講座の講師をしていました。現在は、行政書士事務所を開業して、自分で事務所を運営しています。
うさぎ年生まれなので、うさぎのイラストを使っています。
詳しい自己紹介

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