私の就職活動記録

私が法律事務所への就職活動を行っていたときの記録を書いています。

87か所もの法律事務所に不採用をもらった私の記録

元法律事務所職員(採用担当)で、某スクールの法律事務所職員養成講座の元講師である私も、以前は法律事務所への就職を目指していた1人でした。

その就職活動は、簡単ではありませんでした。
87か所もの法律事務所に不採用をもらい、88か所目でやっとつかんだ採用でした。
そのときの就職活動の記録を以下に書いてみます。

法律事務所への就職を目指したきっかけ

法律関連の仕事を意識したとき

法律事務所というよりは、法律に関わる仕事を意識したのは、2002年の秋ころでした。
当時は学校法人に勤めていたのですが、図書室の蔵書整理を一人孤独にやっていたときに、ふと昔を思い出すことがありました。
小学生時代の親の離婚で人生が変わったり、以前の職場で不当解雇されたことなどなど‥

そんなときに、行政書士という資格と出会いました。
そこで、行政書士試験の勉強を通じて、法律の世界に接することとなりました。
そのときは、行政書士になりたいというよりは、法律に関する仕事をしたいと思っていた状態でした。

就職活動開始

本気で法律関連職に就くために、勤めていた学校法人を辞めました。
その翌月から、一旦、職業訓練校に通いました(このときの詳細は職業訓練校体験記に記載しています)。
職業訓練校に通いながら、就職活動を始めたわけです。

最初のころは法律事務所ではなく、司法書士事務所や社労士事務所に応募していましたが、採用されることはありませんでした。
当時の応募書類を今見ると、本当に低レベルで、これでは絶対に書類選考が通らないと思いました。

その後、私がやりたいことは法律事務所にあるのではないかと気付きました。
法律事務所って、訴訟案件が多いですよね。
当事者が青筋立ってる案件です。

私は争いごとは好きではないですが、熱い戦いは好きなので、それが法律事務所でできるのではないかと思ったのです。

そこで、法律事務所に絞って、就職活動を開始しました。

書類選考での不採用が続いた時期

12件連続の書類選考落ち

ありとあらゆる求人媒体から法律事務所の求人を探し、どう考えても応募条件に合わないところ以外は、とにかく応募していました。

しかし、12件連続で書類選考落ちでした。
それだけ連続で書類すら通らないと、ちょっと落ち込みます。
でも、何で落ちたのかを考えることは、ちゃんとやっていました。
経歴や年齢は変えられないですが、応募書類の作り方や表現方法ならいくらでも工夫できますからね。

私はそのような「変えられる部分」を一生懸命反省して、修正することを繰り返してしていました。

そんな中、13件目の応募ではじめて面接に呼ばれました。

初めての面接

面接日程のご連絡

応募した13件目の法律事務所から電話がかかってきました。
「面接にお越しいただきたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?」といったお話です。

うれしかったですね。
はじめて書類選考を通過しましたからね。

その日から、面接で想定される質問を考えて、すんなり回答できるように練習していました(面接の練習については面接対策 / ありがちな質問例とその対応に書いてあります)。

面接本番の様子

銀座にある法律事務所でした。
なかなかきれいでおしゃれな法律事務所でした。

面接官は、弁護士の先生と補佐らしき女性のお2人でした。
面接では、特にまずった部分もなく、緊張もせずに意外とスムーズにいきました。
その反面、大きな手ごたえもなかった感じでした。

この面接の日は、取り組んでいた行政書士試験の日が数日前だったので、「がんばってくださいね」と声をかけていただきました。
うれしい気持ちで帰らせていただきました。

結果

数日後、応募書類が返ってきました。
不採用だったんですね。

その不採用だった面接を振り返って、すごく悪い部分は思い当たらなかったのですが、印象が薄かったんだろうなあと反省しました。

なかなか実らない就職活動

おこづかい稼ぎ

行政書士試験を終えたあと、就職活動以外にすることがない状態でした。
その状態の中、ウェブサイトの制作技術を持っていた私は、アフィリエイトを始めてみました。

長らく就職活動をしている間も生活費がかかるので、どんどんお金が減っていきます。
ちょっとでも生活費になればいいなあと思って始めたことです。

苦悩の日々

応募書類を送り続けても、書類選考での不採用が続きました。
30件、40件不採用になるたびに、「世の中に必要されてないのかなあ」というさびしい思いになりました。
日によっては、1日に4通同時に応募書類が返ってきたこともあり(不採用通知)、逆に笑えたりもしました。

でも50件くらい不採用になると、ある程度開き直れました。
応募する前からあまり期待していないので、精神的なショックからは立ち直っていました。

そんな中でも、応募書類の反省と修正の繰り返しは、懲りずにすすめていました。
それが実を結んで、徐々に面接に呼ばれるようになりました。
結果が出なくても、くさってはいけないんですね。

面接に呼ばれはするのですが

面接に呼ばれはするのですが、不採用が続きました。
でも、面接の実戦経験をつむことができたので、面接が上手になりました。
面接も応募書類と同じで、1回受けたらそのたびに反省し、次回のために修正をしていました。
そうするうちに、どんどんと面接が上手になりました。

また、いろいろな法律事務所にお伺いできたので、単純に楽しかったです。
社会科見学の状態で、一口に法律事務所といっても千差万別なんだなあと思いました。

いろいろな法律事務所にお伺いできたおかげで、法律事務所の裏話を聞くこともできました。
「○○の業務は儲からないんだよねー」とか、「○○法律事務所はやめといたほうが良いと思うよ」とか、いろいろな裏話をお伺いすることができました。

印象深かった法律事務所さんとしては、求人広告では何の魅力もなさそうな法律事務所だったのに、実際に行ったらとてもきれいで、弁護士の先生や事務職員さんもとても良い雰囲気だったところがありました。
このとき、求人広告だけでその法律事務所の良し悪しを決めてはいけないと思いました。

あとは、ビルの倉庫みたいな薄暗い場所に事務所を構えていた法律事務所もありました。
しかも、壁はコンクリートむき出しの灰色で、窓が1つない状態でした。
雰囲気的には、ヤクザさんのアジトみたいな感じでした(笑)。

就職活動を続ける資金が

長らく就職活動をしていましたので、就職活動を続ける資金が残り少なくなりました。
そのタイミングで行政書士試験の合格が決定したので、某スクールの行政書士試験の講師になりました。
そこの講師のお仕事は業務委託契約なので、就職活動を続ける時間も確保できます。

ここで私は、稼ぎながら就職活動を続ける体制を作ることができました。
これで気が楽になりましたね。
ただ、初心を忘れて講師の仕事が本業にならないように気をつけていました。

ちなみに行政書士資格は、法律事務所への就職のためとして考えると、あまり役に立ちません。

最後の面接

88か所目の法律事務所からの電話

応募して88か所目の法律事務所からの電話が入りました。
面接に来てくださいということですね。

このときも、いつもどおり事前に面接の練習をして臨みました。
もうこのときには面接もかなり上手になっていたので、あとは相性が合うかどうかだけでしたね。

面接当日

面接官は、弁護士と事務所幹部でした。
幹部からは、その面接の時点で、「ぜひよろしくおねがいします」と言われました。
このときは「いったな」と思いました(笑)。

面接終了後(当日)

「いったな」と思ったのですが、万全を期すために、ダメ押しをかまします。
お礼状です(お礼状の詳細については面接対策 / 面接の事後対策に書いてあります)。
面接が終わって帰宅してから、その日にお礼状を郵送しました。

面接から3日後

弁護士の先生から電話が入りました。

「お礼状ありがとうございました。」

お礼状は効き目があったみたいです。
そして、弁護士の先生のお言葉は続きます。

「ぜひ採用したいです。」

やったあー!!!!!
88か所目で、やっと採用されました。

このときは、もちろんうれしい気持ちもありましたが、「やっと終わったのかあ」という気持ちが大きかったです。

ほんと、途中であきらめなくてよかったです。
あきらめたら可能性は0ですが、あきらめないでがんばれば、可能性は0ではないのです。
私はそのことを、この就職活動を通じて、肌で感じました。

採用された理由

なぜ私が採用されたのか、後日弁護士の先生に聞いてみました。
そうしたら、以下の理由を聞けました。

  • どんな困難も乗り越えられる精神力がありそう
    この法律事務所はヤミ金案件が結構多かったので、精神力があればヤミ金とも戦えるだろうということなのかもしれません。
  • PCスキル(特にウェブスキル)がある
    私と入れ替わりで、ウェブサイトを専門にやっていた方が退職しました(一度だけお会いしました)。そんなタイミングで私が応募したので、ちょうどよかった状態です。
  • 法律の素養もある
    法律のど素人ではなかったので、お仕事を覚える素養はあったと思います。

このような経緯で法律事務所に採用された私ですが、採用後、どのようなお仕事が待っていたのかについても書きました。
ぜひ、採用後の世界をイメージしてみてくださいね。

採用後の仕事

自己紹介

元法律事務所職員(採用担当)で、某スクールの法律事務所職員養成講座の講師をしていました。現在は、行政書士事務所を開業して、自分で事務所を運営しています。
うさぎ年生まれなので、うさぎのイラストを使っています。
詳しい自己紹介

法律事務所の採用情報が期待できる求人サイト

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法律事務所のお仕事を学ぶための講座や本

法律事務所で役立つ知識を身につけておくことができれば、応募の際にその努力が評価されることもあります。

法律事務所に採用されるための対策本

履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策を勉強しておくと、法律事務所への採用に近づけます。